ハワイで消費税の納税義務者に。

日本では原則として事業開始後2年間は消費税の免税事業者となり、納税義務はありません(資本金や人件費によっては例外がありますが) ハワイで事業を行う場合、地方消費税としてGET(general excise tax)そして短期の不動産賃貸を行う場合にTAT(transient accommodations tax)の納税義務を負います。 これらは現地の不動産管理会社が申告納税代行してくれる場合が多いため、管理費と勘違いしている方も多いと思います。 GETの税率はホノルル市内ですと売上の4.5%となっており、消費者から預かっているかどうかに関係なく納税義務が生じます。日本と違い「預かった消費税と支払った消費税の差額」を納めるのではなく「売上にかかる消費税」を収めるため計算は簡単です。   (1)1年間で税額$4,000以上の場合には毎月申告(毎月20日) (2)1年間で税額$2,000~$4,000の場合には四半期申告(1/20,4/20,7/20,10/20) (3)1年間で税額$2,000以下の場合には半年申告(7/20,1/20) TATはホテル税とも言われていますが180日以下の短期賃貸の場合に納税義務を負い、税率は9.25%となっています。ホノルル市はモノレール建設の財源確保のために2018年から税率を10.25%に引き上げることになっています。 ハワイで不動産賃貸をする場合には、現地で「所得税」「固定資産税」「消費税」を納税することになります。  

183日ルールの勘違い

ハワイから日本に出張や里帰りして滞在している人から「日本に年間183日以上滞在すると、税法上の日本人(居住者)として扱われるから早く帰らなきゃ?」という質問を受けます。 税法上の日本人(居住者)の定義は所得税法によると①国内に住所を有する者②現在まで引き続き1年以上居所を有する者、とされています。 したがって183日以上滞在していても365日を超えなければ居住者として納税義務を負うことはありません。(居住者となってしまうと米国で生じた所得についても日本で所得税を納めなければならないので注意が必要です。) よく勘違いされる183日ルールとは日米租税条約の「短期滞在者の特例」のことで、ハワイの会社から給与をもらいながら日本に滞在している場合、183日以内であれば日本で納税義務はないというものです。 この場合184日以上滞在されると日本で課税されますがこれは居住者として課税されるわけではなく非居住者として課税されますが、ハワイに戻って確定申告で「日本で払った所得税」を控除することになります。 たとえば1月から5月までハワイで収入があり6月から184日間、日本に滞在しても日本にいる間収入がなければ日本での納税はありません(365日以上滞在したら日本の居住者になってしまいます)。  

減価償却による節税効果とは?

先日、「減価償却による節税効果をより得るには家賃収入が少ないほうがいいのですか?」という質問を受けました。 節税イコール税金を少なくする、と考えれば収入が少ないほうがいいことになります。つまり家賃収入が少なくて値上がりしない物件が節税物件となってしまいます。しかし通常このような物件は誰も買いませんね。 税率30%のゾーンの個人が家賃収入100万円増えてしまうと税金が30万円増えますが70万円はキャッシュ増となるので手取り額は増えます。(税率が100%を超えることはないので当たり前のことです。) つまり、節税とはいくら税金が減るかではなく、いくら手取りを増やせるかで考えなければならないのです。                              

むずかしい2カ国間の税務・・183日滞在は関係ない

「私は年間183日以上日本を離れているから日本では課税されない」、「私が日本にいる限り、ハワイでいくら稼いでもお金を持ってこなければ日本での申告の必要はない」などという話をたまに聞かされます。間違った知識のまま放っておくと後で課税されて大変なことになります。相続税と所得税の納税義務者も異なります。 日本の相続税の納税義務者がどのような人か確認してみましょう。 日本国内に住所がある場合 日本国籍を持ち今の住所はハワイでも10年以内に日本に住所があった場合 日本国籍もなく日本に住所もないが被相続人の住所が日本である場合 特に③は2013年4月1日に改正されたものですので注意が必要です。放っておくと日本にいるほかの相続人が連帯納付義務により払わなくてはなりません。 ハワイに移住(米国籍)して何十年も経っているのに、日本の親が死亡したらハワイの財産を相続しても日本で課税されることになりました。