日米相続税比較(続きを読む)

 相続税は他人ごとではなくなった(2015年の大改正)

【相続税の計算は簡単ではない】

個人を取り巻く税金としては所得税や贈与税などもありますが、私たち税理士にとって一番計算がやっかいなのが相続税です。「私は父から1億円くらい財産を相続する予定ですが、その場合税金はいくらくらいになるのでしょうか?」と聞かれても即答できないのです。苦手だからではありません。相続税を計算するには被相続人(この場合の父をいいます)の財産全体や家族構成が分からなければ計算できないのです。

【遺産にかかる基礎控除→2015年から増税】

国税庁の発表によりますと2014年の死亡者数(被相続人数)は127万人、これに対し相続税の対象となった人数は5万6000人と全体の4.4%でした。

なぜ申告対象が4.4%しかいないかというと基礎控除の金額が高かったからです。

しかし、2015年以降は基礎控除が4割カットされて

3,000万円+600万円×法定相続人の数

となりましたので申告対象者は約2倍になったといわれています。

ちなみに米国の遺産税の基礎控除は2016年に関しては545万ドルですが、日本人などの非居住者の基礎控除は6万ドルとなっており、ハワイに不動産を所有している日本人はほとんどのかたがハワイで申告することになります。(日米租税条約での特例により米国の基礎控除額を二国間按分する方法も認められています)

【税率→2015年から増税】

日本の相続税の税率はその対象財産によって10%~50%となっていますが、2015年の改正により最高税率が55%に引き上げられます。

ちなみに米国の税率は18%~40%で日本のように複雑な計算はせずに諸控除を差し引いた後の金額にダイレクトに税率を乗じます。

 

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